相続税の計算の注意点

難しいと言われがちな相続税の計算ですが、これの注意点とは何でしょうか?
比較的わかりにくいのが、課税対象となる遺産の総額を計算したあとです。
税金の計算の基本は、課税対象の金額を計算したあと、それに規定の税率をかけるというものですが、相続税はその計算をする前に、もう一手間あるのです。
それが法定相続人同士で遺産を一度分割する計算になります。

これは遺産分割協議の内容に沿った分割ではありません。
あくまで相続税を計算するための机上の分割で、実際にこの通りに遺産を分ける必要はないのです。
また、ここで分割するのは遺産の総額ではなく、課税対象になった一部の金額のみです。
これはあくまで相続税を計算するための仮の分割だからですね。
どういうことか、例を出しましょう。

たとえば遺産の総額が1億円あり、法定相続人は3人、課税対象になったのはそのうち5200万円だったとします。
このあと、この5200万円を法定相続人同士で分割したものと考えてください。
分割の割合は法定相続分をそのまま使います。
たとえば法定相続人3人が配偶者と子供2人だったとき、法定相続分は配偶者が50%、子供2人が25%ずつとなります。
そのため配偶者が2600万円、子供がそれぞれ1300万円ずつと分割するのです。

ここまでして、それぞれで相続税の計算をします。
相続税率は、それぞれの法定相続人に割り当てられた課税対象の遺産の金額に応じて決まる仕組みです。
これが高いほど税率が高くなり、安いほど税率も低くなります。
各相続人それぞれで、相続税がいくらになるのかをここで計算してください。

そしてここで計算した相続税を、各相続人が実際に支払うわけでもありません。
これはあくまで相続税の計算のための仮の分割ですから、この仮定で計算された税額がそのまま本人の負担額となるわけではないのです。
それぞれで計算した相続税額は一度すべて合計してください。
そして最後に、実際に相続する遺産の割合に応じて、その相続税額を按分すると、個人の相続税額を計算できます。
このように少し複雑な計算式になっているのが注意点です。